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鉄道旅が、お好きでしょ?

【2020春】大井川鐵道井川線 初乗車 1/2

某ウイルスが世界を席巻し始める頃。当初はこの春休みで夜行バスで高松へ渡り、四国観光からの京阪神で私鉄(阪急、阪神、京阪、大阪メトロ)に乗る、という計画と京都観光という計画がありましたがいずれも昨今の事情により自粛することになりました…。それでも家からは出たい…ということで人の少ない山奥へ行こう!となりまして…その結果「大井川鐵道井川線」の初乗車が叶いました。

大井川鐵道本線(金谷~千頭)間は過去に二度ほど乗ったことがあり、いずれもSL目的でまず愛知から金谷まで行くのがそこそこな苦労でしたが井川線はその本線のさらに奥、千頭駅より北に伸びているのです。日本一の急勾配、日本唯一のアプト式、客車牽引列車と魅力がたくさんありながらも絶望的なアクセスの悪さにより千頭駅で横に止まっている赤い客車を見ながらも敬遠していました。

 

やっとこさ重い腰をあげた2020年3月、井川線だけに焦点をあててついに動き出しました…。

 

8:40

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愛知から3時間40分(←途中休憩込みですが、隣県であることを考えると遠すぎる)、やってきたのは大井川本線の終着駅、千頭駅(静岡県榛原郡川根本町)海抜299.8m←覚えておいてください。

井川線の始発は9時12分という遅さなのでこの時間でもまだ始発前…。正直言って、日常使いでは使えませんね。(この言葉が後に的外れだったことを知るわけですが…沿線はほとんどの駅で人家は0~数軒でした)

そして南へ向かう本線があるというのに人影は0。あまりの閑散とした風景に驚きました。経営的に大丈夫なのでしょうか…。(井川線に関しては所有者が中部電力のため中部電力が赤字額を負担しているらしい)

 

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こちらは千頭駅からの運賃表。

ご親切に金谷駅から先、JR線の運賃まで載せてくれていますが…。

高い!!高すぎる!!

初乗り運賃は150円or160円と、地方鉄道にしてはかなり良心的なのですが…。(この点、名鉄の初乗り運賃170円より安かったりする…苦笑)例えば本線終点の金谷までは39.5km、井川線終点の井川までは25.5kmです。

 

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そしてこちらが時刻表。

井川線…時刻表が寂しそうです。ちなみにこの日は閑蔵ー井川間は調査やなんやらで運休でした。なので臨時「閑蔵行き」での運転でした。(代行バスなんぞいいものはありません。)

本線ですが、地方鉄道にしてはなかなか上手くやっているように見えます。(最近普通電車を減便したらしいですが。)

 

窓口で閑蔵までの硬券(硬券が標準だなんてレアですね)を買って誰もいない構内へ。

 

 

まだ発車まで30分もあり、ホームへ向かうとまだ機関車入れ替え中でした。井川線は全国でも珍しい部類に入るであろう、全便が客車列車です。

 

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雨です。寂しい構内には雨の方が似合う、と1人言い訳をしてみる。

 

9:04

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井川線、始発列車の入線です。

 


大井川鐵道井川線 始発列車千頭駅入線

(かなり離れたところから撮影しているのは乗務員さんからの指示によるものです。)

動画見ていただくとわかるように扉開けっ放しでワイルドです…。この日のこの列車は4両(展望車両つき)+ディーゼル機関車での運行でした。

乗務員さんに乗っていいよと言われ、バリアフリーなどなかったかのような階段を上って車内へ入ると…

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狭い!!なんだこれ!!狭すぎる!!

サイズ感がわからないと思いますが左側のボックス、大人2人で横並びで座るのは恐らく不可能です。そして私(身長181cm)、頭をぶつけてしまうほど天井が低いです。

これでも軌間狭軌(1067mm)だというのですから特殊ですね…。これは井川線の生い立ちに関係があるのだとか。(説明は省きますが、井川線の歴史は面白いです。)

そしてすっきりとした天井を見て空調がない!?と驚きましたが座席の脚の横についていた様子。この日は最高気温9℃でしたが暖かかったです。

 

発車数分前ながら誰もいないので運転席背後の特等席を陣取る。

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(運転席。運転台が占める面積を見ていただければこの車両の横幅の小ささがわかるでしょうか…。アプトいちしろ駅にて撮影。)

その後、鉄道好きであろう人たちが乗り込み、おおよそ20人ほど乗ったでしょうか、軽快な汽笛を鳴らして列車は山奥へ向けて出発しました。

 

 

行きは乗車中、ほとんど乗務員室にかぶりついて前を見てるか動画を撮ってるかでほとんど写真を撮らなかったので感想感激ツイートを貼っておきます…。

 

あと、線路のカーブが急で車両から大きな軋み音が鳴る場所が何箇所もあったり、最高速度が30km/hで普通の電車よりだいぶ遅かったりでトロッコのようでした。

 

途中のアプトいちしろー長島ダム間は日本で唯一のアプト式、かつ日本一の急勾配90‰で列車は千頭側に電気機関車を追加で連結し山を登っていきます。

勾配…わかりますかね。

 

車内でゆったりと過ごすこと1時間半、列車は本日の終点、閑蔵駅に到着です。

 

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閑蔵駅で折り返しまで1時間ちょい…。

本当は井川まで行って30分ほどで井川発の折り返し列車に乗って戻ってくるつもりでしたが本日は閑蔵止まりということで折り返しまでの時間が長くなっています…。

 

閑蔵駅は某秘境駅ランキング50位のなかなかローカルな駅。

駅前に道はありますが人家は三軒ほど。お店も一軒ありましたがこの日は開いておらず仕方なく折り返しまでの時間を同じ道の人10人ほどと共に閑蔵駅周辺で過ごします。

私は閑蔵駅のマップを見たときに察したのであらかじめ朝浜松サービスエリアで買っておいたおにぎり×2とカレーパンを食し、閑蔵駅周辺の散策へ出かけます。

 

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閑蔵駅遠景

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閑蔵駅近くの橋から見える大井川


2/2へ続く。